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フランス革命を収めたカリスマ的軍人であり、のちにフランス第一帝政皇帝となったナポレオン・ボナパルトに私淑していたという、鬼怒川金谷ホテル創業者ジョン・カナヤ。彼は一八〇九年に瓶詰めされた銘酒「NAPOLEON」をはじめ、「Primier Empire」(第一皇帝)の名を冠した数々の逸品を遺してゆきました。そのなかに、大のシャンパーニュ好きだったジョンが日々愛飲していた銘シャンパーニュ「ナポレオン」があります。
鬼怒川金谷ホテルでは、そんなジョンの思い出を記念して、いまもメイン・シャンパーニュを数々の賞を受賞したCh. & A.プリユール「シャンパーニュ ナポレオン」に定めています。しかし、それは、あくまでお客様に上質なシャンパーニュをご提供するため。なにより、「ナポレオン」がどんなお料理にもあうとシャンパーニュ愛好家たちから定評があるからです。
ジョンも純粋に「ナポレオン」の懐深い味わいを好み、日頃から、和洋を問わずさまざまな料理にあわせて楽しんでいました。
そもそも、第一皇帝ナポレオン・ボナパルトからして大のシャンパーニュ好き。「戦に勝った時こそ飲む価値があり、負けた時には飲む必要がある」という、シャンパーニュを讃える格言を遺したほどです。あらゆるシャンパーニュを飲みくらべたというナポレオン・ボナパルトの名を唯一冠したシャンパーニュこそ、当ホテルがサーブするCh. & A.プリユールの醸す「ナポレオン」なのです。
まさしくシャンパン・ゴールドと呼ぶにふさわしい色あい。蜂蜜、洋梨、熟した果実とアーモンドの芳醇なアロマ。シルクのように喉をすぎる繊細なバブル。フレンチも和食も、肉料理も魚料理にも幅広くあう「ナポレオン」ならではの味わいは、「和敬洋讃」をコンセプトとする金谷流懐石料理に、なくてはならないシャンパーニュ。
この「ナポレオン」と、ぜひ、あわせて食していただきたいのが、当ホテルの名物料理「金谷玉子」です。ジョンが丹精込めた伝説的なレストラン「西洋膳所ジョンカナヤ麻布」時代からの定番メニューは、ジョン自身が好んで「ナポレオン」をお伴に食した逸品。
一見、フレンチでいう「ウフ・ア・ラ・コック」(半熟卵)ですが、頂部の殻をはずすと、うすい卵殻の中に、フカヒレスープなどをベースにした金谷流茶碗蒸しがはいっています。この一品、いったい、どう調理しているのか、おわかりになりますか? ルックスもテイストもマジカルなこの金谷流懐石玉子料理。ふうわり染み入るフカヒレの滋味、香りと、舌のうえでフワフワとろける蒸し玉子の食感が、「ナポレオン」の繊細な泡とともにお口に爽やかにひろがります。
さて、「金谷玉子」はどうつくるのか?その謎は、ぜひ、鬼怒川金谷ホテルにて、お料理を味わいながらお尋ねください。
2019年2月掲載
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